おわりに
オーストラリアの動物たち Australian Animals(C)postpard
                                                            
 元来ドライヴが大好きな私は、日本国内では岡山から北海道往復・一周2回を含め、鹿児島と沖縄*を除くほとんどの都道府県を運転した。海外では、アルジェリア在住時の数度のサハラ砂漠ドライヴを始めとして、レンタ・カーで、フランス縦断、ドイツ縦断、オーストリア、スイス一周、グアム島一周(米)、ベネルクス三国縦断、スコットランド周回などいろいろ走ってきた。ここまでの延べ走行キロ数は、海外だけでもオーストラリアは除いて4万キロは超えると思われる。

*後日注:後に沖縄本島はレンタカーで一周し、専用のページをあげた・・・「沖縄本島・世界遺産巡り」

 今回までに「挑戦」してきたオーストラリアは、最初に書いたように日本の20倍以上の面積がある大きな国である。小さいながらも、一つの「大陸一周」は初めてである。この旅は、長い時間をかけたいわば「懸案」であった旅である。それだけに足かけ8年、3回に分けたドライヴは、いろんな意味で本当に楽しくもまた長いものであった。時間もお金もかかったが、やり終えた今では大変満足している。ただ残念なことは、一度に全部回れなかったことと、全行程が「キャンピング・カー」でなかったことである。もう一つ、見残したところも多く、時間があったらもっとゆっくり回りたかった、というのが正直なところである。

 もちろんただ走るだけではなく、自然を愛で、人々と話をし、動植物を観察してきた。この国の魅力は、まず
自然の偉大さ、すばらしさである。奇跡、不思議とも思われる地形も多い。次に人々の心の広さ、暖かさである。三番目は、動物たちの人間をおそれない自然な姿である。もちろんその裏には、人間の優しい対応があるが・・。これらのものをじっと見ていっても、日本にはない、または少ないものが散見され、私としては「嬉しい、楽しい、感動する、心が洗われる・・」などの事柄も多い。毎回新しい発見がある。そういう意味で、私はこの国が大好きである。

 しかし、毎回思うことは、
アボリジニーのことである。いつも機会があれば、彼らと話してみたいと思うのであるが、実際の所それがないのである。それは物理的に接触の機会がないということだけでなく、彼らがみずから外部の人間を避けようとしているように思えるのである。例えば、彼らがロードハウスに車を停める場合、必ず敷地の端に停めて歩いてくる。顔も背けて目が合わないようにしたりすることもある。また仲間内でかたまって行動することが多い。

 もちろん何千年も他の人たちと交流がなく、自然の中で生きてきた彼らである。我々と同じレヴェルで考えてはいけないであろう。様々な理由から、失業率も高いと言われる。夜中に大騒ぎをしたり、昼から酒を飲んだり、観光地では酒代を観光客にせびるのを目にすることもあった。私たちの感覚で言うと、「何か違う」ということがよくあった。そういう意味で、他の人たちと同じ共同体の中で一緒に生活することが、やや困難であるように見える。しかしそれでも、現在のオーストラリア社会に適応して、活躍しているアボリジニーたちも多い。これは、シドニー・オリンピックでも紹介された。
あまりに違う人間同士が、「共存」するにはどうしたらいいのか−が、今後とも私たちの課題であろう。

 さて、
今回の旅だけで13215kmを走り抜いたが、前二回でそれぞれ2300km、7980km走っており、合計23495km走ったことになる。これは地球一周(4万km)のおよそ6割という距離になる。因みに、今年の「パリ=ダカ」ラリーが、10739kmである。これだけ走っても、まだこの国の「点と線」でしかない。本当に広い国である。カカドゥやバングル・バングル国立公園など素晴らしいところが、いくらでも残っている。

 今後願わくば、長距離列車パースへの「インディアン・パシッフィック号」やアリスへの「ガーン号」にも乗ってみたい。そして機会があれば、タナミ砂漠やグレート・ヴィクトリア砂漠も4WDで渡ってみたい。 まだまだ夢をくれそうなこの大陸である。
 
 
「インディアン・パシフィック号」(C)”
Indian Pacific" Train Official-site(ホーム・ページより転載)

 おわりに、私たちにこのような機会をくれたこの国と人々に、感謝のことばを申し述べ、更にこの国に住む私たちの友人達と、今回友人になれたフランス人やドイツ人など外国からの観光客の方々、そして日本人駐在員T氏にもお礼を申し述べたいと思う。そして、いつまでも日本とオーストラリアが平和で友好的であるように願って止まない。

                      
                (おわり)
   
<今回のデータ>Data for the 3rd time
日数       17 日 Travel days
旅行開始時の積算計   97571 km Trip metre at beginning
旅行終了時の積算計  110786 km Trip metre at ending
全行程距離   13215 km Mileage
一日最長走行キロ数   1192 km Most mileage for one day
一日の平均走行キロ数    777.4km Average mileage per day
消費軽油量 約 2130 litters Total light-oil consumption
平均燃費  約 6.2km Average fuel efficiency
利用CP数  延べ16 個所(実15個所) Used Caravan Parks
レンタカー: ブリッツ・キャンパーヴァン・レンタル Britz CampervanRentals, Melbourne
(http://www.britz.com )
<総合データ> Total Data
総旅行日数 延べ33日(他にスキーバス7日) Whole travel days
総行程距離 23495 km Overall mileage
                        <REFERENCES>
 Many thanks to these websites, companies, books and others:

ホームペ−ジ Home-pages

・ワーキング・ホリディ    http://workingholiday-net.com/
・インディアン・パシッフィック号 " Australian Great Train Journeys"  http://www.gsr.com.au/indian/index.htm
・Yahoo, Australia   リンク各サイト
・Britz Campervan Rentals  http://www.britz.com
・セイルズ・イン・ザ・デザート・ホテル  http://www.holidaycity.com/sails-desert-yulara/index.htm
・Australian National Flag (
MOFA:日本国外務省オフィシャルサイト)                                  http://www.mofa.go.jp/mofaj/index.html
・ロイヤル・フライイング・ドクター http://www.rfds.org.au/

資料・文献・CD-ROM Books, Marerials, Data, CD-ROM

・Strip Maps (RACV) Melbourne-Adeleide RACV Sales&Marketing PTY LTD
・Strip Maps (RACV) Adeleide-Perth   Princess Highway,
・Strip Maps (RACV) Perth-Darwin   Noble Park
・Strip Maps (RACV) Darwin-Adereide
・地球の歩き方  4    オーストラリア         ダイアモンド社
・地球の暮らし方 5  オーストラリア           ダイアモンド社
・地球の歩き方 旅マニュアル401  オーストラリア ツーリング& ドライヴ ダイアモンド社
・地球の歩き方 フロンティア 114 オーストラリアの自然     ダイアモンド社
・4x4 TRADER Sep.1993 4x4 TRADER Epping, NSW 2121
・DARWIN'S AIR WAR 1942-45 The Aviation Historical Society
・TROY DANN'S OUTBACK Random House Australia
・John McDouall Stuart "Exploring The Stuart Highway & The Oodnadatta Track"
                3rd Edition Tourist Information Distributors Australia, West Beach, SA
・AUSTRALIA 地球最古の大陸へ  (Photo相原正明)  SynForest CD-ROM

写真・絵葉書・地図等 Photos, Post-cards, Maps etc.

・新詳高等社会科地図(オーストラリア地図) S57  帝国書院
・The Shell Complete Road Guide to Australia
       Publication and concept copyright:Penguin Books Australia Ltd.
・Wildlife of Australia Nucolorvue Productions PTY.LTD Mulgrave,VIC.
・Tall ant-hill : Christian Meunier, Lyon, France
・Wildlife of Australia Steve Parish Publishing PTY LTD
・Melbourne Steve Parish Publishing PTY LTD
・Hans Peak, Cober Pedy, SA Brian Gauci Australiana Souvenirs PTY LTD
・Corroboree performed at Springvale, NT Baker Souvenirs, Alice Springs
・Perth, WA Art Press, Fremantle
・Famous signs along the Eyre Highway  Brian Gauci Australiana Souvenirs PTY LTD
・BHP Iron Ore Train Auscape Prints, WA
・Ayers Rock Resort Baker Souvenirs, Alice Springs
・Urulu Nucolorvue Productions PTY.LTD Mulgrave,VIC.
・Journey of the Coastal Koori Tobwabba Art , Nucolorvue Productions
・Park guide "Lark Quarry" Environmental Park  Queensland Nat'l Park & Wildlife Service
・BLITZ Toyota LandcruiserCampervan cut-model leaflet of Blitz
・ "Stuart Highway" sticker" JAC

上記写真以外はすべて筆者写す
 (C)2001 Photos copyright by Kenji Kakehi (Digital camera: SONY S70 , and other optical cameras)

    


オーストラリア一周キャンピングカーの旅
 
<世界最小の大陸早まわり>  
Around Australia by car, 1993・1995・2001
 
2001年10月16日 脱稿 2001年12月16日HP版
2002年3月11日改訂版 2006年3月10日二訂版

 
All rights reserved by Kenji Kakehi (C)2001-2002