たばこは自分だけでなく 周囲のひとにも大きな害を与える
                           
・・・・・・副流煙の恐怖・・・・・・

   また、たばこの害は、ご本人だけではなく、周りの方、ご家族の方にも大きな害になります。このことを少し詳しくお話しましょう。

 たばこの煙には、たばこを吸う人の身体に入る「主流煙」と、たばこから出てきて周りの人が吸い込む「副流煙」とがありますが、この副流煙にかなりの有害物質が含まれているのですね。

 たばこの中には4,000種類の化学物質が含まれ、そのうち有害物質が200種類といわれています。表8はその有害物質(発がん物質)の代表的なものを、主流煙と副流煙とで分けて比率をみたものです。そうすると、何と副流煙のほうが、主流煙に比べて2倍以上、中には40倍の高濃度の発がん物質が含まれているのです。

 図7左は禁煙の期間によってどれだけ死亡率を減らせるかというグラフですが、注目してもらいたいのは右のグラフです。ご主人が喫煙することで、奥さんの肺がんの死亡率がどんどん高まっています。いつの世でも女性が元気な時代はいい時代です。その奥さんの元気をなくさないためにも、たばこを吸っているご主人は、それを控えていただきたいと思います。

 とはいえ、「たばこをやめろ」と繰り返すだけでやめられれば、苦労はしないわけですね。ニコチンにはかなりの依存性があることが知られており、禁煙のためには積極的な努力が必要になる場合が多いと思います。そのひとつとして、保険は使えませんが、ニコチンを徐々に減らすようにプログラムされた禁煙の方法があります。ニコチンが含まれたパッチをからだに貼って、それを高濃度からだんだん低濃度にしていくのです。それによりたばこに依存した体質を禁煙の体質へともっていきます。こうした治療を行う医療施設がありますので、参考にしていただきたいと思います。

 こうしたたばこの害に対する対策は行政も重視しており、「禁煙節酒は鬼に健康金棒」という標語の下、ただ個人的な努力による禁煙ではなく、法的に制限しようとしています。特に
子供への禁煙教育が重視されています。「たばこを吸う権利」は、吸わない人にとっては認めるわけにはいかないという考え方が、皆さんの職場でも徐々に実施されてきていると思います。


図7