アウトバーン(高速道路)・サーヴィスエリア駐車場の日の出 (ルクセンブルグ)

  この写真、実は名所でも世界遺産のスポットでもない 私たちがレンタカーを借りてアムステルダム・スキポールを出発したのは9月に入ってのこと 日本ではこの時期は連日30℃越えの日が続く ところがヨーロッパの中緯度帯では朝夕はかなり冷え込む オランダ、ベルギーを観光しルクセンブルグに入った頃には、9月も後半に入り16日になっていた

 この頃の私たちのヨーロッパ・ドライヴは「イキアタリ・バッタリ」で、最初と最後の日以外はホテルの予約も取ってはいなかった それまではいつも「何とかなった」のである ところが旅が進む内に大変なことが分かった なんでもこの時期はヨーロッパ中で会社の会議や大イヴェントや国際会議が開催され、どこの市でもホテルは満室であった ブリュッセルでは市内で宿が取れず、かなり郊外でしか宿がなく、それも選択の余地がなかった 

 ところが、隣国ルクセンブルグではどんなにランクを落としても宿の一件もなかった 最後に訪ねたホテルの人は「もうこの国で探してもないだろう いっそ隣のドイツまで行って探したら・・?」とサジェスチョンをくれた そこでアウトバーンにのってドイツに行っても宿がなかった 夜はどんどん更けてくる

 諦めてまたルクセンブルグに戻り、高速道路のSAで泊まることにした 日本と同様、パーキング・エリアは長距離便のトラック運転手が仮眠していた これらのトラックの間に止めれば、何かあっても助けを頼めるし、トイレはすぐ傍にあった 覚悟を決めて駐車した

 ところが旅の途中の車中泊は予定していなかったので、シュラフも毛布の持参もなかった ありったけのジャケットやセーターを着込み、仮眠をした 明け方、あまりの寒さに目が覚めトイレに駆け込んだ そして外を見ると、写真のような景色があった 湖からは霧が発生し、町はまだ眠っている 朝陽は寝ぼけた目には眩しい光であった 思わず車に走って帰り、カメラを取り出し撮ったのがこの写真である だから「思い出の写真」なのである 


内部リンク:「ベネルクス三国縦断ドライヴ

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