首都カイロとナイル川
アフリカ最大の都市と世界最長の大河
Cairo and the Nyle, Egypt
衛星写真と地図(Google)

カイロ市とナイル川
(手前の建物は日本人のデザインで造られたオペラハウス)
(Egypt:History & Civilization より転載)

カイロの地図、見どころ、ビデオ
(エジプト政府・観光局公式HPリンク)
 「エジプト文明はナイルのたまもの」と言われます。ナイル川がなかったら、エジプト文明はなかった−ということでしょう。上流のエチオピアなどでの大雨が、下流のエジプトで洪水こうずいを起こし、そのおかげで土地が肥えて、穀物こくもつ野菜が豊富にとれたのです。しかし今では、上流に大きなアスワンハイダムができ、もう洪水は起こりません。

 いずれにしても、こうして世界最古といっていい文明のひとつ、長い歴史、アフリカ最大の人口をもつ大都市が誕生したのです。この都市は年間に降る雨が25mm*と非常に少なく、ナイル川がなかったら人は住むことができません。まさに「命の水」です。このように、ナイル川はエジプトに大きな恵をもたらしたのです。

            *注:東京の年降雨量1500mmと比べると、完全に砂漠気候だと分かる



ナイル川と農耕
(Egypt:History & Civilization より転載)

 上の写真を見てください。洪水がなくなった今でも、ナイル川の両岸だけが農業ができる地域です。少し離れると、そこは不毛の砂漠です。そのため、川からはたくさんの農業用水が引かれています。この地域では、米、綿花、小麦、トウモロコシ、さとうきび、なつめやし、野菜類が多く生産されます。




カイロのイスラム地区遠景

 カイロはたいへん大きな町です。いちばん最初は、旧市街から始まりました。ここには、ローマ帝国時代の遺跡やキリスト以後におこったキリスト教の一派、コプト教の教会がたくさんあります。しかしここより古いのは、地中海そばの大都市、アレクサンドリアです。美人とうたわれたあのクレオパトラ7世にも深い縁があります。もっと古いのは近くのギザ、テーベやアスワン、ルクソールなどです。これらは古王国、中王国、新王国などの遺跡、神殿、宮殿が多くあります。歴史的に重要なところです。

 8世紀より後になると、サウジアラビアでおこったイスラム教がこの北アフリカにも進出し、「イスラム帝国」という大帝国が現れます。上写真のイスラム地区も、それ以後に発展した町です。いまでも多くのモスクがならんでいます。とがった塔のミナレットはたくさんあるほど、「格の高いモスク」と言われます。
            
もっとモスクの写真が見たい人は:
ガーマ・アムル(モスク)
ガーマ・ムハンマド・アリ

ガーマ・スルタン・ハサン




 手前はイスラム地区ですが、写真の向こうは新しくおこった地区です。高層ビルがならんでいます。このように、カイロは古いものと新しいものが共存しています。自動車道も多くの車があふれ、他の国と同じように交通問題をかかえています。



 カイロの少し外(郊外)の写真です。こういう所にはまだ畑が残り、麦や野菜、花やなつめやしが植えられています。赤いレンガの家はまだ建設中ですが、すでに人が住んでいます。こういう家が大変多いのですが、どうやら税金と関係があるようです。



 カイロの目ぬき通りの写真です。ふしぎなことに、こんな大都市でも信号は少ししかありません。道路整備が十分でないうえ、自動車が増え信号もないので、朝夕の交通ラッシュは大変なものです。排気ガス問題も大変です。



 カイロはアフリカ大陸一という大都市なので、ヨーロッパにあるような路面電車や地下鉄も整備されています。自動車はヨーロッパ車が多いのですが、日本車もけっこう走っています。特に四輪駆動車は圧倒的に日本製です。



 イスラム地区にあるハーン・ハリーリのバザール近くの広場です。この後ろには、フセイン(ホセイン)・モスクがあり、ここを中心に大きなバザールが広がっています。指輪、宝石から、テーブル、服、土産品、じゅうたん、水タバコの用具、生活用具、レストランなど、ありとあらゆるものが売られています。写真は「断食月・ラマダーン」期間中のため、夜おそくまでにぎわっている様子です。ラマダーン中は夜と昼が逆転します。これは世界中のイスラム教国でも同じようです。

               もっとここの写真が見たい人は:夜の繁華街ハーン・ハリーリ



 カイロ旧市街のオールドカイロ地区です。観光客が多い地区ですが、このように地元の人が利用する屋台も多くでています。これは氷や飲み物を売っているところです。



 カイロを流れるナイル川にたくさんあるディナー・クルーズ船です。昼はつないでありますが、夜になると川を上下します。夜は観光客が夜景やベリーダンスを見ながら食事をします。大変人気があるようです。



 モハメット・アリ・モスクのモスレム(イスラム教徒)婦人です。エジプトはサウジアラビアなどのきびしいイスラム国と違って、女性でも男性と一緒にモスクに入っています。きびしい国では、それぞれ男女専用のモスクがあります。結婚した女性も、写真のように顔を出しています。きびしい国では両目しか出しません。モスクはキリスト教会や仏教寺院とは違います。「偶像崇拝禁止ぐうぞうすうはいきんし*」で像も絵もありません。メッカ(マッカ)に向かってただお祈りする所なのです。

    *注:イスラム教では他の宗教のように仏像やキリスト像などのような像やマリアさまの絵のようなものを拝むことは、
         かたく禁じられている。内部のかざりは幾何学模様(きかがくもよう)や花鳥などがほとんどである。



モスク内での聖職者と警官の語らいの場面



観光客の多い旧市街・オールド地区の土産物店のようす

もっと旧市街の写真が見たい人は:
カイロ旧市街・オールドカイロ



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