旅のイマージュ・古都フェズのコウノトリ

 モロッコは大変面白い国である 北アフリカのイスラム教国というだけで、ヨーロッパや北南米と違う雰囲気がある とりわけ、古い時代からのカスバやメディナは映画のセットに近く、古いものや珍しい物に出会える

 特に世界遺産に登録されたこの古都フェズは、歴史は9世紀初頭まで遡る 三つの地区のなかで、このフェズ・ル・バリは魅力がいっぱいである 一般的には「メディナ」といわれている 歴史を感じさせる城壁の大きな門をくぐると、そこには別の世界が広がる 香料の臭いやアラブコーヒーの香りが鼻をくすぐるなか、ロバの鳴き声や手押し車の軋む音、物売りの声の喧噪が広がる

 そういう雑踏を見下ろしながら、城壁でのんびり休んでいるのがコウノトリである この国のコウノトリは大事にされている 街灯の上やモスクの尖塔(ミナレット)の上に巣作りをしても全く「お咎め」はない だから彼らの巣はコソコソしていない 堂々と立派な「愛の巣」を作り上げる

 このフェズはいわば大都市で人口も多い それにもかかわらず、たくさんのコウノトリが生活している ということは近辺に餌になる川魚がいる自然が残っているということである 我が日本ではすでに佐渡のトキははぼ全滅し、むかし日本に多くいたコウノトリはすでに天然記念物に指定され、人工繁殖が行われている 幸いサギはわが田園地帯の比較的人間に近いところで多数が暮らしている いずれにしても、いつまでも世界中で「鳥と人間の共存」が続くことを願わずにはいられない  


--世界遺産--
World Heritage

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旅のイマージュ    
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