第十三日目(Day 13, Aug 19) アリス・スプリングス発 (晴れ)
Alice Spring(NT)〜Yulara(NT) 事故車の救助要請で突っ走る
 今日は日曜日、キャンプ場は、まだ眠っている。朝8:30から無料のパン・ケーキが振る舞われるらしいが、時間の関係でもらわずに出発。妻はどうやら後ろ髪を引かれているらしかった。何度も「あれが食べたかった」という。フーン?!そうだったのか。妻の新しい面を知った

野外展示してある昔の「ガーン号」 Old Ghan Train

 町から一号線の南方向出口には、路傍に「オールド・ガーン号」が展示してある。メルボルン、シドニーから終着アリスに来ている豪華列車「ガーン号」の旧型車両である。「ガーン」の名は、むかしアフガニスタンから連れてこられた、ラクダに由来すると言う。残念なことに、アリスとダーウィンは、いまだに線路は繋がっていない。

 119km走って、未舗装(ダート)のキングズ・キャニオンへ向かう道に入る。しばらく行くと、すぐに
「ヘンバリー・メテオライト・クレイター」 Henbury Meteorite Craters」への道が現れる。およそ4000年前に時速4万キロで隕石がぶつかったと、説明板に書いてある。12のクレイターがあって、直径は7m〜180mとある。穴内部は後の時代の土砂で、ほとんど埋まっている。国道に近いが、現在墜ちたら大惨事だろうと思うと、ぞっとする。そういえば、そういう隕石落下のハリウッド映画があった。

最大の隕石クレーター(●左が妻) Henbury Meteorite Craters

クレーター脇の看板説明

キングズ・キャニオンへのダート Way to King's Canyon
 見学もそこそこに、ダートのソロバン道を、一路名勝キングス・キャニオンへ向かう。道の両側は真っ黄色のワトルの花が満開である。この辺の土は、鉄分が多いのか赤茶色だ。時々四駆とすれちがう。私たちと、同じことを考えている者がいるのだ。

 197km走って、キャニオンに着く。ここは超有名観光地らしく、
アリス・スプリングスから来た観光バスのグループ、家族づれやキャンピングカーの老夫妻などが、どんどん歩いて行く。すごい人出だ。ハイキング・コースから降りてくると、頭に毛の立ったスピニフェックス・ピジョンが、四五羽ツンツンと、土をつつきながらやってきた。近くの車のおばあさんが、パンくずをやるとどんどん寄ってくる。手のひらからでも食べる。仕草が可愛い。 

キングズ・キャニオン  King's Canyon

仕草がかわいいスピニフェックス・ピジョン
 キングズ・キャニオンから、エアーズ・ロック(ウルル)観光の基地ユララに向かう。小さな丘がたくさんあり、比較的細い道がくねくね曲がっている。前の車を追い越せないので、何台もがつながって走る。突然後ろからセダンが、すっ飛ばして抜いていった。しばらく走ると、道脇にさっきの車が屋根を下にして転けていた。事故だ!。後続車に乗っていたらしいレンジャー風の女性が、私たちの車を停めて、「カーテン・スプリングスに救急車を送るよう連絡してくれ。そこに衛星電話があるから。」という。私たちは、事故車の人たちの無事を祈りながら、150kmほどをコン限り飛ばした。

 はやる心でやっとカーテンに着いて、ロードハウスの職員に告げると、すぐ無線で連絡を取ってくれた。その結果、「たまたま、通りがかりの車に衛星電話があり、すでにヘリコプター基地に連絡が入って、現場に向かっているそうだ。ありがとう。」ということであった。直接役には立てなかったが、妻ともども安堵した。ホントに広い国では、こんなことでも大変だ。もう事故から一時間半以上経っている。

 ユララに着いたが、そのまま18kmとばして
エアーズ・ロックに行く。日没時のロックは、真っ赤に染まるからである。すでにたくさんの車が、カメラ、ヴィデオを構えてじっと待っていた。やがて、陽が沈み始めると、岩は少しずつ赤くなってゆき、それとともに、下から暗くなっていった。ほんの数分のことだ。曇りの日だともっと赤くなるということだ。
 
夕陽に染まったロック Ayers Rock "Uluru" at Sunset
 暗くなったので、ユララに帰ってCP(オートキャンプ場)に入った。料金が今まででいちばん高く、$24.20(約1500円)であった。超観光地の一等地だから仕方がないが、設備は良かったし、きれいだったので納得。またもやロックに来られたので、冷えたビールで乾杯する。また一段と美味い。ああ、喉が鳴る!
                (本日の走行距離658km)