第七日目(Day 7, Aug.13) ハメリン・プール発(晴れ) 地球の「酸素の生母」を見学
〜Hamelin Pool (WA)〜Minilya
一面の菜の花畑を横目で見ながら、国道を外れ一路ハメリンプールへ向かう

ハメリンプールの海岸の石灰石切り出し場 建築に使うらしい すでに切り出し用切れ目が入っている Limestone at Hamelin Pool, WA
  朝、CPに付属の小さな博物館を見学する。水槽にストロマトライトがあり、当てた光で酸素を出している。その後で海岸へ歩く。ここが有名なのは、このストロマトライト(Stromatolites)のおかげである。本当の太古35億年前、この原藻類は炭酸同化作用で酸素を発生させ、地球を酸素で満たし始めたのだ。ここだけが諸条件が満たされたので、今も生き残っているという。大変貴重なものだ。しかし正直、これがあるのが日本でなくて良かったと思う。ここでは保護され、大切にされている。

注:*
「石灰石」・・正確には貝殻の形がそのまま残って圧縮された物で、まだ石にはなっていない状態 小さい物はみやげとして売っている。
今も酸素を出し続けるストロマトライト Stromatolites,"Oxygen's Mother," Hamelin Pool, WA           
1.5mのカマスの仲間?
  海岸一帯には、写真のような光景が続く。近くで見ると、今も酸素の泡を出し続けている のが見える。よくも何十億年も生き続けてきたものだ。入植時代には、白人達がこの上を足場にして物を運んだので、相当傷んだという。観光客用の見学足場には、すでにドイツ人の観光客がいた。その下には、1.5mほどのカマスが逃げもせず、じっとしていた。オーストラリア人?が「これはうまいんだ」と連れに言っている。この国の野生は、だいたい人を怖れない。
貝だけでできた白い浜辺 White Shell Beach,WA
 CPの支払いを済ませて、つぎに「モンキー・マイア」に向かう。途中にあるホワイトシェル海岸は、真っ白で大変美しい。海岸はすべて小さな貝でできていて、厚さが10m以上あるという。普通の砂は全くない。ここの外れにこれを利用するセメント工場が見える。

 ハメリン・プールから129km走って、モンキー・マイアに到着する。ここは、「
イルカに触れられる浜辺」として、広く紹介されている。着いたのが昼過ぎだったが、浜辺には番いのペリカンがいるだけで、イルカは影も姿もなかった。妻が事務所のレンジャーに訊ねると、「朝の9時に餌付けをしているので、その時に来る」といっていた。親切な老婦人に写真を撮ってもらう。彼女は「そこのペリカンは朝からずっといるわよ。横着者よ。」という。ン?。ということは、彼女とダンナも朝からずっとそこにいる?!

 この国の「リタイアの人たち」の旅は、時間の使い方が私たちのとはずいぶん違う。彼女は「最近、そばに来たイルカの空気穴に、紙を貼り付けた不心得者がいたので、イルカは来にくくなっている」とも言った。どこの国にも「馬鹿者」はいるようだ。オーストラリアでさえそうとは、たいへん残念な気がした。

モンキーマイアでペリカンと  Monkey Mia, WA
  もと来た道を引き返し、一号線へ復帰、カーナヴォンまで357kmを走る。そこからの道は、「カンガルー街道」といえるほど、生きたのも死んだのもたくさん見かけられた。時として、カラスや野犬(ディンゴ)がそれを喰っている。車が通ると一旦逃げるが、また戻って喰いつく。バックミラーにそれが映っている。
渚を走り、渚で遊ぶ
  カーナヴォンから155km走って、目当てのミニルヤ・ロードハウスについたが、地図の表示と違って、なぜかCPはなかった。夜も8時になっていたので焦ったが、なんと広場に何十台ものキャンピングカーが停まっていた。その一台から、おばあさんがやって来て、「ここは停めてもいいよ」という。これだけいるのだから安全は大丈夫と思い、不安ながらもエンジンを切った。

 たった一つだけある半ば壊れた「汲み取り式トイレ」の往復に夜空を見ると、星が感動的に美しくきらめく。まわりは真っ暗で星の数も多い。平素、私たちは星空の美しさを忘れている。

                                      (本日の走行距離771km)