1 あっ!乗る飛行機がない!(第一日目/岡山→台北)
岡山からいつものように、JR「青春18キップ」を使って、大阪経由で関西空港に到着した。今回は妻共々リュックをかついだ山登りスタイルだ。出発までに2時間30分くらいあったが、一応大きな「時刻掲示板」を確認していた。すると、台北行きノースウェスト機(NW)69便は「cancelled」(飛行中止)と表示されていた。一瞬頭の中が真っ白になった。「今回の旅はここ大阪で終わりか?!格安券だからあとどうなるのだろうか?」
あわててNWカウンターに急いだ。担当の女性は分かってますとばかりにニコッと笑って、「大変申し訳ありません。アメリカから来る機材が到着しないので、キャンセルになりました。そこでご相談ですが、他社便を探しますのでそれに乗っていただければ台北に着けると思います。」こう言ってから、端末でアクセスをはじめた。「お客様、私たちがおすすめするのは、JALで一度沖縄・那覇まで飛んでいただき、そこで中華航空・台北行きに乗り換えていただきますと、数時間の遅れで今夜には着けますが・・。」 |
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いっぺんに憂鬱になった。正直言って、わたしはこんな飛行機には乗りたくなかった。まず那覇までは国際線ではないため、機内サーヴィスが極端に落ちる。機内食が出たとしても、サンドイッチ程度だろう。ジュースが一つくらいで、酒類も有料だ。国際線なら機内食は比較にならないし、酒類は「飲み放題?」だ。同じ料金で「雲泥の差」だ。また、台湾の「中華航空」にも乗りたくはなかった。先日台湾近海で墜落し、多数の死者が出たばかりだ。
まさか「食事が悪いから乗らない」とは言えないので、「あの〜、CIには理由があって乗りたくないんです。他にはありませんか?」というと、分かってますという表情で、「あとはキャセイパシフィックでいったん香港に飛んでいただき、台湾行きに乗れば、真夜中の1時過ぎに着きますが・・。」わたし「ちょっと妻と相談してきます。」
妻は「香港は遠いし、また帰る感じで余分に乗るなんて・・。一度落ちた飛行機会社は今は逆に大丈夫・・。」と妙に醒めたことを言う。それでもなんとか説得して、カウンターに戻った。ところがディスプレーを見ていた女性が、「あっ」と声を出すとこちらに向いて、「香港まではOKですが、香港-台北はウェイティング(キャンセル待ち)になっています。そこで提案ですが、きょう香港に飛んでいただいて、NWがホテル代をもちますので、明日朝の一番機で台北へ行くというのは如何ですか?」 |
わたしは、「余分に香港にも行ける。機内食や酒も・・・。」と思ったが、妻の顔を想像すると、「やはり那覇・台北の方が良いか。」と思った。わたしの一人旅なら、断然香港経由だったが・・。実は妻は数年前、仕事で太平洋岸シアトルから日本に帰るのに、一度アメリカ中央部のミネアポリス・セントポールまで飛び、何時間も待たされて、やっと日本行きに乗ったことがあった。普通の1.6倍ほど乗ったことになる。どっと疲れたという。原因は航空会社のオーヴァーブッキングだった。だからこういう場合、彼女は遠くへ行きたくはないのだ。こうして、下のJAL895便に乗り、ひとまず沖縄に向かうことになった。
JALの895便”ボーイング767”
JAL・関西-那覇の搭乗券 CI・那覇-台北の搭乗券 |
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NWが「お詫び」にくれたクーポン
1 ATT専用のテレフォンカード
(空港のどこにもATT専用電話器はなかった)
2 アメニティー・クーポン
ア マイレッジ1000ボーナスマイル
イ 空港でUS$10相当の飲食
ウ 機内飲み物
エ 機内ヘッドセット
(これらはボーナスマイル以外は実際使いにくい)
3 次回NW券購入時の割引券 (わたしはあまり関係ない)
以上は「気持ちだけ」のお詫びだった。 |