台北駅
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1 泊まったホテルで、朝食の「お粥セット」を食べてから、台北車站(台北駅)へ出た。MRT利用で10分くらいだ。 階段を上がると台鐵になる。昨日のうちに買っておいた「環島周遊票」(下)に「当日受付」で列車番号、座席番号を記入してもらう。
詳しい情報は↓
台湾鐵路管理局リンク
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私たちは一回分を残し6回使用した
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環島週遊票 (既出)
「自強号」など特急、急行は座席指定、乗るたびに駅の窓口で押印してもらう
これをキップに替える必要はない 指定席券が別にある場合もある
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台湾一周地図 |
<今回、列車で通った駅名とバスのコース>
台北
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台中
↓
二水
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水里=バス=日月潭=バス=埔里=バス=霧社
↓
二水
↓
台南=バス=安平
↓
高雄
↓
台東
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花蓮
↓
台北 |
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2 旅のはじめにふさわしく、最も速く停車駅も少ない「自強号」(高雄行き・8時40分発)に乗る。座席はすべて指定席で、もちろん全席禁煙。清掃のオバサンが来るので車内は清潔で、リクライニングは日本のものより快適で、調節式足台も完備している。
←最速の自強号
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3 食堂車がないので、車内販売がやってくる。日本との違いは、ビールや土産の販売がなかったように見えた。私たちは車内販売を知らなかったので、駅に来るまでに「ファミリーマート」で「焼き肉弁当」と「鶏モモ焙り焼き弁当」を買っていた。
こちらの弁当は、だいたい飯の上に大きな肉片や大きな鶏モモの塊がどーんと乗っていたりする。これから言うと、日本の弁当は迫力に欠ける。弁当はNT55=約200円で、内容からいうと安く、大満足である。
茶もコンビニでいろいろ売っている。日本流の緑茶は「日式緑茶」と表示がある。おなじデザインでも間違って買うと、台湾式の砂糖入り緑茶になってしまう。他に烏龍茶やジャスミンティー(ふつうNT20=72円)がある。食品はおおむね日本の物価の5〜7割程度である。
←弁当売り |
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4 西岸中部の大都市、台中におよそ2時間足らずで10時33分着。この町は人口93万、台北から186kmで、台湾でいちばん気候がいいといわれている。しかし工業都市もあって、我々から見て、大して魅力はない。
駅前からバスに乗って「宝覚寺」に向かう。バスの運転手に「地球の歩き方」にある左下の大仏の写真を見せ、ここに行きたいふりをする。運転手は近くにいた主婦に何かを言っていたが、「この主婦が連れて行ってくれる」らしいそぶりをする。10分くらいで停留所に着くと、その主婦は道路を渡り、先に立って案内してくれる。
やがて自分の家と寺の分かれ道で、何か言いながら「そこだよ」という身振りをする。私たちは繰り返しくりかえし「謝謝」を言った。嬉しかった。運転手もその主婦も親切だった。言葉は通じなくても、一生懸命伝えようとしてくれた。やがて金色の頭が見えてきた。それが金色の弥勒大仏像だった。
←宝覚寺正門
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5 「台中大仏」と呼ばれるその仏像は、高さ30mとかで見ただけで、その大きさに驚く。そして金色に輝くその姿にも驚くが、何と言っても印象に残るのはその「笑顔」だろう。この顔を見ていたら、 「ハッピー」な気分になる。本当にいい顔の仏様だ。
←弥勒大仏像の前の私たち(下) その大きさがよく分かる。
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6 寺の本堂の前には大きな木が数本あって、何か仏様への供物様のものがたくさん置いてあった。そばでは女性がハガキ大の紙の束を燃やしていた。何かと思ってじっと見ていたら、その女性(写真)はこちらに向かって、「どちらから来たのですか?」と英語で聞いた。妻が、「日本からです。」「それは何をしているんですか?」と訊ねた。「今日は旧暦盆のおわりで、供養で紙のお金を燃やしているのです。」といった。紙のお金も何種類もあるらしい。日本でいうと、「精霊流し」に当たるのだろうか?同じ仏教でも少しやり方が異なるようだ。それにしても、いい時期に来たものだ。
←紙のお札を火にくべる |
台中駅 |
7 台中駅に戻って、ローカル線の集集線水里駅行きの時間や今日の目的地、日月潭(にちげつたん)までの行き方を尋ねようとした。案内所の係員に妻が日本語と英語で聞いたが、全く通じない。筆談でやり始めたら、後ろにいた若い女性が、「何かお手伝いでも」と英語で申し出てくれた。彼女の中国語は流暢であった。
こうして彼女のおかげで、知りたかった情報は得られた。礼を言うと、彼女は、「わたしもここの人間ではありません」と言った。聞くと、「インドネシア人」だといった。東南アジアには中国系の人が多くいる。たぶん旅行か親戚訪問なのであろう。彼女に礼を言って、窓口に向かった。列車待ちの間、スコールのような叩きつける激しい雨が、30分ほど続いた。台湾旅行で経験したただ一度の雨だった。
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8 13時32分台中発、14時23分二水着。なぜか、乗客はどんどん降りはじめる。「えっ?!」と私たち。車掌が来て、「降りろ」というジェスチャーをする。怪訝な顔の私たちに、「向こうに乗り換えの列車がいる」という身振りをした。確か台中駅では水里行きは「直行」と聞いていたのだが・・。とにかくあわてて降りて、左のペイント列車に乗った。比較的新しい車体らしく、ローカル線でも清潔で感じがよかった。
水里駅は田舎の駅で、駅から伸びたまっすぐな道はずっと下りだった。それに沿って、こぢんまりした店屋や旅館がつづく。なんと、「NT20ショップ」(=70円ショップ)があった。バス出発まで時間があったので、その店に入った。一人の老女が店番をしていた。彼女は、「日本からですか?」と流暢な日本語で訊ねる。
「日本語お上手ですね」というと、「むかし学校で習いました。」という。彼女の店は新しかった。「この家は、この間の大地震(注:台湾中部大地震)でつぶれました。それまでは、ここはホテルで日本人がたくさん泊まっていました。」ダム現場の日本人がよいお客様だったという。それは非道い地震だったらしい。彼女はそれで意欲を失ったのか、「ホテルはやめました。」と言った。私たちはいくらかの買い物をして、「どうぞお元気で。」と店を後にした。
駅近くのミニ・バスセンターにあったバスは、埔里(プーリー)行きだった。その運転手は、「車内禁煙」の掲示の下で、タバコを吸いながら曲がりくねった山道を運転をしていた。台湾へ来て初めて見るひどい運転手だった。煙が私たちの周りに淀んだ。バスは山道をどんどん上がっていって、30分くらいで日月潭に着いた。
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蜜月楼大飯店主人 |
9 「地球の歩き方」に出ていたその宿は、蜜月楼大飯店といった。降りたバス停から看板が見えるほど近かった。宿の主人は英語を話したので、宿代を聞くとNT1000(3600円)だという。朝食付きだとNT1100だというのでそれにしたが、「朝食は今夜9時を過ぎたら取りに来い。」とおかしなことを言う。それはこういうことだった。このホテルはドア続きで、コンビニを経営している。そこの弁当が売れ残ったら、それを朝食にするというのだ。
9時過ぎて下りていったら主はいた。コンビニへ連れて行って、おにぎり一個とお茶一本だという。妻が日本語で言った。「両方合わせても、50×2で100。売れ残りなのに全然お得じゃあない。」そこでわたし、「この牛肉弁当では駄目かな?」と英語で言う。主は少し考えてから「OK」と言った。これでNT60の弁当2つにお茶がNT20が2本、それに入館したときに、NT20のミネラル・ウォーター貰ったから、計NT180でNT80の「儲け」。私たちの「勝利」だ!。こうして私たちの「朝食」は、店の奥の冷蔵庫に入った。
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日月潭国立風景区(写真、文章ともホームページから転載)
10 日月潭は海抜760mの中高度にあり、湖水とそれを取り囲む青山が山水画を彷彿させる、素晴らしい世界です。湖水に親しみ、湖面をなでるそよ風を感じ、静寂にみちた黄昏に身をおき、明け方薄霧に包まれた湖面を眺め、刻々と変わる日月潭の魅力を体験してください。
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