グレート・ベーズン(大鑽井盆地)を一周して
Around the Great Artesian Basin
第二回
2nd Drive

1995





フォードFord sedan
 1995年8月フォード・セダンという車で、メルボルンから出発した。かなり使い込んだ古い車だ。本当は三菱・パジェロの四輪駆動を予約していて、新車同然の実車が目の前にあったのだが、舗装路以外は走れない契約と分かり、急遽キャンセル。別の店で二輪駆動の中型フォード・セダンを借りた。それにしても、四輪駆動車で未舗装路を走れないとは、本当に変な話だ。この回は、妻がメルボルンに仕事があったため同行できず、私一人でドライヴを始めた。今回は前回と違い、事前に具体的な計画ができていた。   
文中地名後の州名のアルファベット略号について:QLD=クイーズランド、NSW=ニューサウスウェールズ、SA=南オーストラリア 、NT=ノーザンテリトリー

<主な通過地点と行動の記録>  地図はこちら, SeeDriveMap            
 
1 クーバー・ペディ泊 Coober Pedy (SA)

  
   (この国最大規模のオパール鉱山の町)
   オパールは太古の貝殻の化石
   道路の両側に無数の縦坑(シャフト)
   廃坑が住居になる
   妻のために小さなブラック・オパールを購入                  
    オパール鉱山 Coober Pedy Opal mines (shafts)
 
2 ウルル登頂 Ayers Rock "Uluru" (NT)

  (英語名エアーズ・ロック)
 
  (登頂二回目)登35分 頂20分
  下15分 頂上は360°の展望 
  遠くカタチュタが美しい 
  下りで足の膝筋肉が痛い 
  先住民アボリジニの聖なる山
  国立公園入域料が必要
  一部はアボリジニに還元されるという      
 
 
アボリジニーの聖地ウルル Urulu (筆者写)
 
3 カタチュタ周辺散策  The Olgas (NT)
  (英語名オルガ)

  
  ここもアボリジニの聖なる山
  (宗教行事がおこなわれる)
   ここは登山禁止! ウルルより神秘的で
   風の通る谷の雰囲気が素敵


ウルルから30kmのカタチュタ Kata Tjuta
 
上の2,3の辺りは、ユララ以外は
  「アボリジナル・ランド」(アボリジニ保護区)
  アボリジニだけが住んでいるので
  部外者は許可証がないと入れない  
  村の若者の一部がユララ・レゾートにきて
  観光客に酒代をねだる姿は悲しい
  白人ほど仕事がないらしい 

管楽器ディジュリ ドゥを吹くアボリジニー 
笛は交信手段でもあった
 
5 エアーズ・ロック・レゾート(ユララ) Yulara (NT)


  ユララは砂漠に人工的に作られたレゾート・
  タウンで 一種の砂漠の「人工オアシス」
  である ウルルやカタ・チュタの近くにあり 
  観光センター ショッピング・モール ホテル 
  キャンプ場がある 
  「セ−ルス・イン・ザ・デザート」ホテルに滞在 
  名前通り屋根のデザインが船の「帆」である

"Sails-in-the-desert"Hotel  
 
6 アリス・スプリングスで熱気球体験 
        Alice Springs (NT)


  早朝4時起床!ホテルまで送迎車あり
  荒野に出て荷下ろしや気球固定など 
  離陸直前まで手伝う 
  着陸後も同様 全作業に「参加」する
  滞空時間約一時間 素晴らしい体験!
  乗った者にしか分からない快感。
  この体験は「病みつき」になりそうだ
  少し高いが、後で地元のワイナリーで
  ワインや昼食込みの大満足ツアー

  (このページ下に会社公式HPリンク)
熱気球搭乗証明書
(名前が入る)

 Balloon boarding
Certification
 
7 「ロイヤル・フライング・ドクター」の
    ヴィジター・センター見学
    (アリス・スプリングス他)
    Royal Flying Doctor (NT)
 

  国が広いので「空飛ぶお医者さん」が
  飛行機で患者を診察する 
  センター内には無線設備などがある 
  ドクター・ジョン・フリンという人が創始者 
  あちこちに記念碑がある 
  応分のドーネーション(寄付)をする

 
Royal Flying Doctor Visitor Centre

無線指令基地(センター)

飛行基地 Royal Flying Doctor plane base

8 信じられない「超」田舎の郵便局 (QLD)
  
  人口数百人くらいの町の民家を改造した
  特定局で 営業時間を10分過ぎていたが 
  立派な体躯のオバさんドアを開けてくれた 
  「ブリスベーンへ葉書を出したい」というと、
  「これからどこへ行くのか?」と訊ねる 
  明日の行く先を言うと 「そこで出しなさい
  ここは昨日集配したので 次便は一週間後
  ですよ」と親切に?教えてくれた 
  この国では 自分で持っていった方が
  早い郵便物もあると 変なところで感心する
  ホントに大きな国だ

        
 
9 ラーク・クォーリー自然公園の恐竜足跡見学                         (QLD)     
  

  ウィントンという町から 主要道を外れて
  200km足らず 路面が荒れた未舗装道を走る 
  当時の沼地の足跡が化石で残る
  肉食恐竜が草食恐竜を追いかけた跡も
  はっきり残る  まわりには何もない
  ただそれだけの所だ
  帰りのダートの道で ハンドルをとられ
  コースアウトする
  180°回転し 危うく大事故になりかける
  だから二駆で オフ・ロードは怖い!
                   
  The Dinosauer trackway site

 
10 スピード違反でパトカーに止められ
   キップを切られる(QLD) 
         
     
  ずっと時速120kmで走ってきて ブラッコール
  (地図中赤矢印)の町中へ入ると
  途端に制限速度が60kmとなる 
  スピードを落とすのが遅れ対向してきた
  パトカーに止められる 15kmオーヴァーであった 
  外国ではすでに4万キロくらい運転しているが 
  罰金は初めての経験だ それにしても
  この国では 対向車のスピードまで測るから
  怖い 301km離れたチャールヴィルで裁判所に
  出頭、略式で罰金を払う 
  要はオーストラリアに「寄付」したと思えばいい
  のだと−負け惜しみがでる

            



A Blackall Policecar



 
11 この国最大級の電波天文台見学
            CSIRO (NSW)


   パークス郊外の遠望できる丘陵地にある 
   銀河系内外の宇宙を探査している
   1989年の8月25日 海王星にあった
   アメリカのヴォイジャー 2号を追跡し
   映像を写真化した
   ここには博物館のような展示と
   スーヴェニアショップがある 
   平日は見学者はホントに少ない

 

CSIRO radio-telescope, Parkes
 
12 カウラの戦争捕虜(P.O.W)収容所
   と日本人墓地訪問 Cowra (NSW)


   場所の地図:CowraMap:地図中12のC
   
  (詳しくは筆者のホームページ
  
オーストラリアあれこれを参照されたい)

  参考サイト:アブソリュートリー・シドニー(日本語)
          カウラ観光局HPの収容所関連記事
(英語)
 


現在の収容所跡
ex- Cowra P.O.W Camp site these days 
 
12つづき
  第二次大戦の枢軸側捕虜の収容所
  で4000人収容 うち アフリカ戦線
  のイタリア兵2000 オランダ領インド
  ネシア人1200 日本兵  300?
  他にブルームで働いていた民間の
  日本人 真珠養殖労働者と家族
  数不詳


大戦当時の収容所
Cowra P.O.W Camp during WWU
カウラ・カウンシル・オフィシャル・ホームページ
”TheCowraBreakout”より(下も)
 
12つづき
  「カウラ脱走事件」
  ”The Cowra Breakout”

  1944年8月5日未明、1100人が脱走
  日本人350人中234名死亡
  警備のオーストラリア兵4名死亡  
  双方ともに郊外の公営墓地に
  埋葬されている
  (日本兵以外の民間日本人もここに眠る)

機関銃で撃ち殺された脱走日本兵捕虜
Shot Japanese deserter
 
13首都キャンベラ訪問(特別行政区)Canberra

 首都をシドニーとメルボルンが取り合った結果 
 二つの間の何もない山中に 人工的に作られた
 計画都市 政治的妥協の産物か? 
 議会、政府、裁判所のまわりに人工湖があり
 その外側には幾何学的に町が広がる 
 美しいが人間くささを感じないので 
 面白味はない あまり住んでみたいとは思わない  

キャンベラ中心部 Heart of Canberra
 
14 この旅で出会った動物たち

        Animals on my way


  ・カンガルー(生または死)多数
  ・ワラビー (生または死)多数
  ・ウォンバット  
  ・ポッサム
  ・エミュー (母1子6カルガモ状態)
  ・ディンゴ
  ・七面鳥
  ・ハリネズミ(車に轢かれ瀕死状態)
  ・大トカゲ  
  ・オウム、インコ、笑いカワセミ等の鳥類多数 
  ・他に正体不明の動物たち


エミューの親子Emu family
 
15 アボリジニ”クーリー”の芸術、「旅」

  

Aboriginal Art, "Journey of the Coastal Koori"

 このたびの旅は、時間の制約もあり、見学場所がピンポイントなので、その間は走り通しだった。道も広く、ほとんど一直線で、交通量も少なく、信号もなく、人もいないことから、平均時速100kmで走った。(メーター上120-130kmで走る)この場合、旅程の計算がし易かった。一時間で100km走れるからである。

 運転しながら食事?をとったというか、食事?しながら運転した。日本でいう「ガソリンスタンド」は「ロード・ハウス」というが、かならずレストランやテイク・アウェイ(テイク・アウト)、またはミニ・ストアがあった。ガソリンを「満タン」にし、用を足したときに、そこで食べ物を買う。当然のことながら、車の運転が好きでない人や「ゆっくり旅」の好きな人には、こういう旅は勧められない。


(今回通過した町、場所)

メルボルン-アデレード-ポート・オーガスタ-クーバー・ペディ-ユララ-アリス・スプリングス-テナント・クリーク-マウント・アイサ-クロンカリー
-ウィントン-チャール・ヴィル-バーク−ダッボ-カウラ-キャンベラ−メルボルン

  
気球体験

カウラ観光局